2019.12.27
My favorite person
鉛筆画家木下晋(72)
緻密な鉛筆画で知られる富山市出身の画家木下晋さん(70)=東京都町田市=の個展「生を見つめる鉛筆画家」が富山市開のギャラリーNOWで開かれている。三年ほど前から、パーキンソン病で闘病する妻の君子さん(69)をモデルに描く作品を中心に展示。一貫して描き続けるのは「死を見詰めながら生きる人」の姿だ。
木下さんは、最後の瞽女(ごぜ)と呼ばれた小林ハルさん、元ハンセン病患者の詩人・桜井哲夫さんらをモデルに、過酷な運命の中で人間存在の根幹に迫ろうとしてきた。10Hから10Bまでの鉛筆による階調を駆使し、人の肌に刻まれたしわの一つ一つをケント紙に描き込む手法は変わらない。